学校評価について

平成29年度 和歌山赤十字看護専門学校 学校評価 総括

 
領域1 教育理念・教育目的・教育目標
 教育理念・教育目的は赤十字教育の特徴を持ち、学生の指針になるように整えている。
学生への周知度については、年度末のカリキュラムに関するアンケートの結果から確認できるが、保護者や実習施設への周知度の確認のためのアンケートの実施ができていない。
 東京医療保健大学と設置医療施設との連携による看護学部が平成30年度の開学となり、本校は平成30年度が最後の入学生となり平成32年度末に閉校となる予定で手続きを進めている。本校の将来計画については、平成27年度末以後、機会あれば学生に伝えているが校舎の使用計画等については不確定なことが多く、方向性が明確になった時点で伝達するようにしている。保護者全体への説明の機会は設けていないが、設置医療施設の院内報に掲載されている院長(学校長)や管理局長(学校事務部長)の記事をとおしての周知や年度末に開催された保護者会での説明を行っているが周知状況は把握できていない。

領域2 学校運営
 
 本校の将来計画が明確になったことで、教育目標を達成するための事業計画を焦点化することができるようになった。在学中の学生及び最後の入学生全員を赤十字の看護師として輩出するための運営方針・事業計画に則り運営を行っていくことが課題である。平成30年度開学予定の東京医療保健大学和歌山看護学部での赤十字の看護教育の理念継承のためにも本校教員3名が移る予定である。それに伴い、自校の領域担当や業務の見直しを行い、新体制の導入に向けて準備をしている。指導教員の確保が喫緊の課題である。
 人事考課制度の規定に関しては設置医療施設及び日本赤十字社の方針を確認しながら運用等を検討していくこととする。

領域3 教育活動
 
 教育理念に沿った教育課程を編成し、適切に実施している。その教育の効果の評価として、系統的に行える仕組みを設けることが必要である。設置医療施設就職者については、教員が新人育成委員会等の委員会活動で新卒の状況を把握しているが系統的な評価項目とは設定できていない。今年度は設置医療施設外への就職者が19名(37.3%)と多かったため、3年次を担当した教員が施設訪問を行い看護部長や教育担当者や所属上長から情報を得た。評価項目等を設定し、定期的に連絡を取りながら教育の評価をしていけるようにすることが課題である。
 昨年度からの設置医療施設の採用状況から、就職支援活動を強化する必要がありキャリア支援担当者を決めて、「看護職者として働くこと」に特化したキャリア教育の推進役を担うようにした。就職支援業者と連携しキャリア支援講座を開催し、キャリア教育に関する本校の基本方針や内容や方法について明文化され、その企画に則って運用が始まっている。結果として、1年生でも「看護職者としてのキャリアを考える」姿勢が身に付き、2年生は「自己のやりたいことは何か」を定め、病院見学やインターンシップの参加を行うようになり、「自分で決める」ことが当たり前になっている。
 教員の相互研鑚のシステムとしての「授業研究」と授業準備の時間の確保が毎年の課題となっているが、今年度も取り組めていない。学生の個別指導と実習指導に多くの時間を必要とすることから、授業準備の時間は勤務時間内にほとんど確保されず、時間外に残っての準備や自宅での準備をせざるを得ない状況であり、ゆとりのない状況で目前に迫る講義の準備に追われ睡眠時間を削って講義に臨んでいる状況である。教員としてのやりがいのある教育活動に取り組める環境および体制作りが課題である。

領域4 学修成果
 
 今年度は設置医療施設の看護師需要が高く募集人員が前年度より増加した。キャリア教育の成果の表れとして、主体的に自己の職場を選定し採用内定を得るようになった。設置医療施設には35名が受験し、34名が内定となった。設置医療施設就職率が80.96%、赤十字医療施設への就職率が83.33 %となり赤十字医療施設就職率の目標値70%を達成した。
 国家試験受験に関して、学習成果から判断し、夏季休暇及び冬期休暇明けは模擬試験結果や日頃の学習成果から強化の必要な学生10名程度(必須)と希望者のための補講を教師が分担で開催した。さらに国試前2週間には模擬試験結果が振るわない学生に声をかけ徹底的に個別に指導した。その結果、全員合格となった。

領域5 学生支援
 
 今年度から実習担当の専任教師1名がキャリア支援教育を兼務担当し、3年生担当教員と連携し学生を支援できるようにした。就職情報の提供や相談窓口である3年生担当教員と就職活動に必要な支援を行い、12年生に必要なキャリア教育プログラムを構築し、就職支援業者の協力を得て、キャリア支援が構築された。自己の希望を明確にするためにも多くの医療施設でのインターンシップや見学会参加を積極的に促し、参加後の感想を聴取しその成果が確認できるようになってきている。

領域6 教育環境
 
 校舎は築後37年が経過しているが、教育上の必要性に対応した施設・設備・教育用具は計画的に整備し、安全で快適な学習環境のための整備等は可能な範囲で取り組んでいる。長年の課題であった耐震化工事も夏季休暇前後で終了した。東京医療保健大学和歌山看護学部への校舎の貸与を検討する中で、使用していた階段の改装が余儀なくされ、学生たちには、天候に左右される移動経路で負担をかけており、学生を第一義に考えた環境の確保ができていない。今後の改築においては、学生の快適な学習環境を保持することをこころがける。
 
領域7 学生の募集と受け入れ
 
 学生募集に関しては、志願者確保のための一日看護学生やオープンキャンパス、進路相談会への参加を行った。日赤和歌山医療センターとの提携による大学教育を行う東京医療保健大学和歌山看護学部の志願者が多く、本校の志願・受験者数は半減した。併願校として東京医療保健大学和歌山看護学部をあげる受験生が多く、「赤十字と提携し、赤十字で勤務できる看護の大学」へのニーズの高さが著明に表れた。受験生は半減したが、学力の一定ラインを維持する為に定員充足より、合格ラインを下げないことを徹底した。次年度入学生の定員充足率は87.5%となり、合格者・補欠者も少なかったが今年度より充足率が上がったのは専門学校志向の受験生が受験した結果だと思われる。

領域8 財務
 
 3年前から学納金の変更・学生個人用品の自己調達にはじまり、学生・教職員全員での省エネ活動や事業の計画的な執行による設置医療施設からの支出を抑える努力を行っている。教材整備等に関しても委員会を設置し計画的な整備に取り組んでいる。

領域9 法令等の遵守
 コンプライアンスに関する相談窓口の設置や研修・教育への取り組みができていないため、次年度は整備していく。

領域10 社会貢献・地域貢献
 
 落葉の季節に学校前の道路の落ち葉掃除や学校周辺のゴミ拾い活動を学生が率先して行ったことは、周辺の方々の環境整備には貢献できていると考える。これらの活動は、学校側の判断や学生のアイデアにより行われるものであり、地域の方々が求めていることと合致しているかは判断できない。県や施設からのボランティアの依頼は、学生に提示し参加する機会を設けている。その活動を通して地域や社会のニーズを把握し、アセスメントするために活動後の学生から情報を得ることに取り組んでみることも考える。

領域11 国際交流
 
 専任教師の多くが国際的な視野を持つことの必要性を感じており、海外で研修での経験や海外で働く卒業生や赤十字のネットワークを活かして学生の視野を広げる環境作りができている。隔年ではあるが、県支部の事業の国際交流事業(受入)事業も定着した。

【参考】  学校評価結果(前年度との比較)